topics

《散歩でさんぽ》 道草125号より

2019720 日更新

「音叉を買った」という音楽家の友人がそれを見せてくれました。私が知る音叉はギターの調弦で使っているモノですが、友人のモノも見かけは同じでした。音叉とは先端が二股に別れた金属の道具で、叩くと一定の振動数の音を発生する音響器です。音楽に調弦で使われる他、医療用のモノとして難聴の検査や神経障害などの検査にも使われ、検査者の感じる振動によって聴力や障害の有無が判定されるようです。 友人に何故それを買ったのか尋ねると「聴く周波数によって身体や心への作用が違う」ことを知ったから今後の曲作りのためだと言います。そして私が聴かせてもらったのは友人お勧めの4096ヘルツ。その音は甲高い耳鳴りのようで、とても心地よいとは言い難い音色でした。友人は目を閉じる私の耳元で良かれと思い何度も何度も音叉を叩いてくれるのですが、その優しい思いが伝わるだけに「もうええわ」とは言えずに何分も聴き続け耐えました(笑) 友人と別れて「でもあんなに言うのだから」と思い、色々調べてみたところ、海外では音叉が治療に用いられていることを知りました。音の周波数によって身体に響いてくる部位が違うので、そのことを利用する治療法だそうです。よくモーツァルトの曲が心身に良いと聞きますが、それもこの周波数が関係していて、モーツァルトの曲の多くが自律神経の流れをよくして免疫力を高める効果があると実証されています。音の持つチカラってすごいなあと改めて感じます。身体への効果を単純に表すと、高い音は脳を活性化させ、低い音は緊張した体を緩ませる効果がみられるそう。専門的な音叉までとはいかなくても、音楽を心地よく健康に暮らしの中で活用していきたいものです。
東岸佐優里