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《散歩でさんぽ》 道草108号より

201828 日更新

音楽は様々な力を持っていると言います。時には思い出の世界へいざない、心を元気にする力も持っています。そしてそれは決して上手であることだけが人の心を動かすとも限りません。人が懸命に取り組む姿に教えられ、励まされることがたくさんあります。私も音楽レッスンをする立場ですが、上手くない方が大好きでたまりません。以前この会報で、おめでたい芸で有名だった兄弟、海老一染之助染太郎さんの話を紹介致しました。常に仲が良いとは言えなかったお二人、それが兄の病をきっかけにして、染太郎さんが「兄に聴かせたい」との思いでピアノを練習される様子がテレビで放映されました。多様な芸をこなされる器用な方ですが、初めての楽器に大苦戦。画面から伝わる本番の緊張感も半端なく、観ているこちらも息を飲む思いがしました。披露された曲はたどたどしく、間違えると弾き直しされるのですが、染太郎さんの舞台では見せない真剣な表情と、どんなに間違えても諦めないお姿に、私は感動で涙が止まらなくなりました。という前置きはさておき・・・
音楽の散歩道15周年を前に、ずっと温めてきた企画がスタートすることになりました。「あなたも音楽の散歩道に出演しませんか?」ということで、詳しくはこの会報に書かれています。出演資格は【音楽への熱い思い】のみです。自宅で、また独学で楽器を練習しておられる方も多いと思います。上手い必要はありません。海老一染太郎さんの話を心に留めていただきつつ、ぜひご披露くださいますようお願い致します。皆様からのご応募をお待ちしています。   東岸 佐優里