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《散歩でさんぽ》 道草105号より

2017119 日更新

芸術文化の秋です。私もアコーディオンと出会って10年になりました。きっかけは私の師匠が「音楽の散歩道」に出演したことでした。アコーディオンは日本名では手風琴といい、文字通り腕で蛇腹の操作をしながら空気の量を調節して奏でていく楽器です。 私の楽器の場合、右側はピアノと同じ鍵盤が3オクターブ並んでいます。また左側は主に伴奏をするために5ミリほどのボタンが96個並んでいます。演奏するとなると、左腕は本体の蛇腹を絶えず開閉しつつ、指で小さなボタンを押さえ、右ではメロディを弾くという3つの動作を重ねることになります。ところがこのアコーディオンは抱えて弾く格好なので、右の鍵盤はもちろん、左のボタンも自分からはまったく見えません。頼るべきは自分の感覚のみなのですが、普段慣れたピアノの鍵盤の幅よりも狭いアコの鍵盤が右手の感覚を狂わせ、左手は沢山のボタンの上で迷子になることもしばしばです。昔、横森良造さんや横山ホットブラザーズの方がアコーディオンを楽しそうに軽々と弾いておられたのをテレビでよく観ましたが、背丈の低い私が10キロを担ぐ姿は、見た目の印象からもずいぶん違うのだろうと思っています。 面白いことに、我が家の猫は、私がアコーディオンのケースを開けるだけで、ものすごい勢いで逃げて行きます。悲しいかな私の音色は、きっと彼には聴くに堪えないのかも知れませんし、事実なかなか上手になれませんが、「趣味は下手な方が続く」と言います。これからも愛猫の評価は気にせず、下手の横好きでボチボチ続けていきたいです。  皆様はどんな趣味をお持ちでしょうか? またこの音楽の散歩道で皆様の趣味をご披露くだされる機会をもうけられないかと思います。                    東岸 佐優里