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《散歩でさんぽ》道草103号

2017915 日更新

朝晩めっきり涼しくなり、それと共にどんどん日が短くなるのを感じる季節になりました。幼い頃、明治生まれの祖母が「日が暮れぬうちにさいえ(八日市だけの方言?)」「何事も電気つけてするのはアカン。もっと始末さい」と口癖のように言っていたのを思い出します。電気つけて食べるのは勿体ないからと秋になると夕飯は5時。その時間までに帰って手伝いをしないとひどく叱られましたし、夜も早く寝るように言われるので、観たいドラマなどは布団をテレビに被せてこっそり観ていました。が、それでも障子越しの祖母の隣室に灯りが漏れてしまい、正座でお叱りを受けました。「なぜこんな目に・・」と幼い私は自分の悲しさだけで気持ちがいっぱいいっぱいでしたが、今にして思えば、電気のない時代に生まれ、モノのない戦中戦後に子育てしていた祖母にとって「明るいこと」への有難さや、質素倹約に暮らすことの大切さを身に沁みて感じていたのだろうと思います。しかし乍、今やそんな厳しい教えもどこへやら、日常生活で私が電気を消すのは深夜1時すぎ。どんなに怒られるのだろうと時折想像していますが、この秋からはせめて今日中には電気を消す暮らしに改善しようと思っています。  
でも面白いことに昔の教えは別の所に残りました。仕事で出ていても夕方4時半の時計を見ると「そろそろ帰らなきゃ」と心と体がモゾモゾする私です。  秋の夜長、皆さんも充実した時間をお過ごしいただきますように。           ありがとうございます。        東岸 佐優里