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《散歩道でさんぽ》 道草98号より

2017413 日更新

先日、音楽と脳のつながりを学ぶ研修に東京へ行ってきました。昨年に続いて研修は2回目、音楽が体に作用する仕組みや、上肢下肢のトレーニング、認知症予防のための音楽活用レッスンを学びました。今回その中で、私の意識を大きく変えたものが「難聴を学ぶ、体験する」というものでした。専用の耳栓をつけて講師の話を聴いたり、栓をしている相手へわかりやすく話す練習をしました。実際自分が聞こえにくくなった耳で、話し手の内容を理解しようする時には、相手の口元の動きが見えることがとても大事で、目の情報で耳を補おうとします。少しでも早口だと内容が入って来ないことにも気付かされました。その日は「耳栓をしたままホテルへ帰り、翌日会場まで来る」という課題が出されましたが、電車のアナウンスの内容がわからずとても不安になりました。雑談する気が失せ、人ごみのレストランも隅の方に居たくなります。夜は街へ出かけましたが、聴こえないことが一層都会での孤独感を深めました。いかに日々の生活で耳からの情報に頼っているのかを実感しました。貴重な体験を含めての研修でしたが、音楽を聴くことや歌うこと、音楽に合わせて体を動かすことが心身に大きな良い働きをするデータもたくさん得られました。そんなお話も皆様にお知らせしながら、今年度の「音楽の散歩道」も健康的でより楽しんでいただけるプログラムに励みたいと思います。まずは、開放的に花びらの絨毯の上で好きな歌を楽しみたいですね。
今日の帰りにホール隣の川原で1曲いかがでしょう?
東岸 佐優里