＜散歩でさんぽ＞
　最近お気に入りの番組がＢＳの「にっぽん縦断こころ旅」です。朝バージョンはご飯を食べながら、そして夜バージョンの方も時間ができれば欠かすことなく観ています。この番組は視聴者から寄せられた手紙に書かれた「こころの風景」を訪ねながら日本列島を自転車で縦断しているものです。番組ホームページを見ると、滋賀では長浜、沖ノ島、大津、高島の「こころの風景」が過去選ばれていました。旅する自転車に取り付けられたカメラから撮影された風景は、まるで自分が自転車を漕ぎながら見ていようなアングルで撮影されており、風の匂いまで想像できるほどに臨場感あふれています。そしてまた、全国をまわる火野正平さんがとても素敵。昔はプレイボーイとうたわれた正平さんも今年６７歳になられたようですが、それでも独特の色気と人の心にスッと入り込んでいく人懐っこい様子が観ていてとても心地いいのです。少年のような笑顔や時折ふっと口にされる弱者への優しい言葉にもホッとします。
　人は皆、故郷を遠くに思う時や気持ちが青春時代にタイムスリップした時、また離れた家族を思う時にも「こころの風景」があるのだと思います。
　私も今までに心のシャッターを切った瞬間が何度もありました。火野正平さんにお願いとは云わずとも、そんな場所を自分の足で訪ねてみたいと番組を観て思うようになりました。まずは父が入院していた病院の窓からいつも祈りながら月を眺めていた石山寺からこの秋始めてみたいです。
　いよいよ本格的な行楽シーズン到来です。皆さんはどこで「こころの風景」を刻まれるでしょうか？　沢山の良い思い出ができますように。　

東岸佐優里