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《散歩道でさんぽ》 道草89号より

2016716 日更新

散歩でさんぽ

今年も盆踊りの季節がやってきました。永六輔さんが以前「こんなに夜が明るくなかった時代、薄灯りの中で踊る人がもう会えなくなった誰かに似ていて、また会える気もして、夏祭りはこの世とあの世を繋いでいる場所のように思えた」と語っておられました。
いつも闇だった場所が提灯の灯りで普段と全く違う表情をみせる夏祭り。私もそれがとても楽しみで、子供の頃早めにお風呂を済ませて、真白になるほど天花粉をはたいた体に浴衣を着せてもらって出かけました。浴衣の袖も蝶々結びの帯もヒラヒラと女の子らしくて大変嬉しかった覚えがあります。櫓の上では大きな太鼓に合わせて江州音頭が唄われていましたが、いざとなると私は恥ずかしくて手を繋いだ父の陰にじっと隠れて、踊る人をいつも遠くから眺めていたのを思い出します。少し大きくなると友人と行くようになりましたが、次は思春期特有の恥ずかしさが顔をのぞかせてしまい、そうして江州音頭を踊ることがないままとうとう大人になってしまいました。いつか浴衣で踊りの輪に参加してみたいと思っている江州音頭。もう恥ずかしい年齢はとっくに越えたので、どこかで機会があればいいなと思っています。来月の音楽の散歩道は恒例の江州音頭も登場です。皆様と浴衣で踊りたい気持ちです。どうぞお楽しみに♪