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《散歩道でさんぽ》  道草85号より

2016311 日更新

〈散歩でさんぽ〉
日常の生活必需品がどんどん進化しています。『より快適に使いやすく』を目的としてめざましい開発がなされていますが、そうなると私たちにも使いこなせるだけの進化が求められます。しかしそこがなかなか難しく、うちの高齢の母にしてみれば最新家電ほど使い勝手の悪いものはない様子です。先日も家電を新調するのにポットはロックがないもの、炊飯器は炊けて保温のみのもの、電子レンジはダイヤル廻すとすぐ温まるものを探したのですが、どれも見つけるのが大変でした。昔はテレビもスイッチを引っ張ると必ず映ったのに、最近は地デジやCSその他のボタンもリモコンに溢れ、うっかり押してしまうと元に戻れなくなるようで、まるで迷子になった子供のように母からその度電話が入ります。
人が歳を重ねるごとに時代も進み、便利になった分だけ使えない物が増えるという寂しさ。これって私もいつか味わうのかなあと思いきや、もうすでにあまり使いこなせていないパソコンの存在に気づきます。自動運転の車をCMで観ながら「昔の車はアクセル踏めば進んで、ブレーキ踏めば止まったんだよ」と孫にでも言う日が来るのかなあと想像しています。私たちも時代に負けずにどんどん脳を鍛えねばです。せっかくの春だし脳に良い運動でも始めてみようかなと思います。

東岸佐優里