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《散歩道でさんぽ》  道草83号より

2016116 日更新

<散歩道でさんぽ>
子どもの頃、歳の暮れには餅がつかれ、御鏡用は丸餅、食べる方はのし餅になり、餅の重箱はつきたてのお餅でぎっしり詰まっていました。そしてお正月のおやつはお餅。さらに鏡開きをすると、包丁が刃こぼれしそうに硬くなった餅を父が切ってくれます。すると噌汁にもお餅が入り始めて、朝から晩までお餅。干からびたお餅などは保温ジャーで柔らかくなり、ご飯まみれのお餅が茶碗にひそんでいたりもしました。この餅ぜめは、餅が青く変色してこようと、その部分がこそげ落とされて続きます。あんなに大好きだったお餅もおしまいの頃には少し恨めしく思われるほどでした。今日でも高いお餅ですが、昔はなぜあんなに贅沢に味わうことができたのだろうと思います。そしてその時には感じえなかった感謝の気持ちが今わいてきてます。各地ではそろそろ獅子舞の笛が聴こえて来そう。あっという間に小正月も過ぎていきます。これから寒さが一番厳しい時期ですご自愛ください。
来月は2月11日です。ご来場を心よりお待ちしています。ありがとうございます。

                                                       東岸佐優里