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《散歩道でさんぽ》  道草77号より

2015714 日更新

<散歩道でさんぽ>
東近江大凧会館で「日永うちわと懐かしのうちわ」の企画展が7月16日から開催されます。日永うちわとは、江戸時代よりお伊勢詣りの途中の東海道日永宿で気に入った絵柄を注文して、帰り道に立ち寄り、出来上がったうちわをお土産に全国に持ち帰って広まったものだそうです。私達の生活の中で団扇といいますと、少し前までは夏になると粗品にあちらこちらからよくもらう物でした。エアコンはなく扇風機もひと部屋に1台ずつあるわけではなかったので、涼をとるための団扇は竹細工でできた上等のお客様用の物が座敷に、居間には普段使いのプラスチックの物、また寿司をあおったりする道具としての団扇が台所にあるといったような使い分けもありました。毎年恒例の盆踊りの団扇は、その柄を眺めているとその年々の夏の思い出がよみがえるようでもありました。最近では涼をとることにしか使わなくなった団扇ですが、昔はおくどさんで火をおこしたり、お風呂に薪をくべて使ったりで生活の必需品だったことと思います。ところで、外国の人が暑い時に何かであおっている光景をあまり見たことがなかったのですが、調べてみたところやはり扇子や団扇で扇ぐのも日本人だけだそうで、湿度の高い風土で暮らす日本人の文化のひとつと言えそうです。この夏の企画展は昭和に活躍したスターやアニメキャラクターなどの懐かしいものが数多く展示されるようで歴史を感じさせる絵柄が楽しめそうです。
                                                       東岸佐優里