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《散歩道でさんぽ》 音楽の散歩道会報 道草74号より

2015410 日更新

本格的な春がやってきました。土手ではやわらかな風の中、草花たちが優しげに咲いています。春といえばパステルカラーをイメージしますが、この季節の花はやはり可愛いらしい色が多いように思います。子供の頃は草花が咲くとそれでよく遊びました。その代表と言うとやはり“たんぽぽ”で、茎を切り取って吹き口を唇で挟むようにしながら強く吹いた笛を思い出します。くわえた茎からは白いネバネバの液が出ていて、それがとても苦かったのも覚えています。吹いてみると茎の細いものは高い音になり、太いものは低音になったたんぽぽ笛は、楽器の基本のようでした。たんぽぽというとNHKの朝ドラで“たんぽぽコーヒー”が一時話題になりました。私のお気に入りの店のひとつに、永源寺に自家製“たんぽぽコーヒー”を販売して飲ませてもらえる所があります。飲んでみると優しいコーヒー風味の味は濃い麦茶のようです。しかしその効能は沢山あり、疲労回復、健胃、利尿、育毛、美肌と見逃せないものばかりです。コーヒーには根、茎、葉、花の全てが使えるようなので、可愛らしいたんぽぽの見方も変わりそうです。

                                                        東岸佐優里