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《散歩道でさんぽ》  道草137号より

20141011 日更新

先日、大切な資料のしまい忘れをして、どこを探しても見つからないことがありました。焦るほどに余計見つかりません。そこでふと思い出したのがハサミを吊るすおまじない。早速吊るして「神様どうか助けてください。」とお祈りをしたところ、翌日ふと手にした資料にくっついて見つかりました。ハサミ様には大きな感謝。そういえば昔はもっとおまじないが身近にあったなあと思います。「痛いの痛いの飛んでいけ」という簡単なものから、下の歯が抜けたら屋根に放ることや、帰らない押し売りの人に困ると、ほうきに手ぬぐいをかけて団扇であおぐこともありました。また、おまじないではありませんが「夜に履物をおろすな」「手鏡はうつむけて置きなさい」などそんな細かい言い伝えのようなことも沢山大事にしていました。きっとそれらのことは、人の力ではどうにもならない何かの力がどこにでもあるのだということや、色んな物への感謝を忘れないことを気づかせてくれていたのだと感じます。さあ、もうすぐやって来る文化シーズン。発表を控えていらっしゃる方々は、共に舞台袖で掌に人という字を書いて呑みこんで乗り切ってまいりましょう。
                                                      東岸 佐優里